明けましておめでとうございます。
謹んで新年のお慶びを申し上げます。
昨年は名興文庫の活動に対し過激なまでの誹謗中傷・名誉毀損が表出し、応援してくださる皆様方にご心配をおかけしていること、心苦しく思っております。
誹謗中傷・名誉毀損については法的手続きに則り対応していく所存です。
解決まで今しばらく時間がかかりますこと、ご了承ください。
所感
SNSの誹謗中傷は社会問題となっており、改正プロバイダ責任制限法が2022年10月1日に施行されましたが、深刻度は増しています。
昨年は選挙でのSNS活用が話題になりました。選挙活動中にSNSで偽情報の拡散があったことから、選挙でのSNS活用と規制について、今後具体的に議論されると予想します。また、SNS上の偽広告による投資詐欺や、高額な報酬を謳いながら犯罪の実行者を募集する闇バイトなど、SNSを活用した犯罪も問題となっています。このような状況を受けて、石破茂首相は令和6年10月22日にSNS投稿への対応を強化する方針を示しました。
世界では、アメリカのフロリダ州で令和6年3月に14才未満のソーシャルメディアの利用を禁止する州法が成立し、オーストラリアでは令和6年11月にソーシャルメディアの利用開始年齢を16歳以上とする法案が可決しました。
今後、SNSの規制が具体的に話し合われると同時に、プラットフォームへの規制も強まると予想されます。しかし規制関係の法律が整うまでには今しばらく時間がかかると思われ、私としては、法整備に向けた判例を積み上げる段階に来ている、と考えています。個々人の責任がより重くなる状態になりつつあります。投稿や拡散は慎重に行なっていただけたら幸いです。
令和6年はAIイラストについても議論が活発になりました。文化庁は生成AIについて基本的な姿勢を著作権を交えて解説していますが、感情的になっている人が散見され、誹謗中傷や名誉毀損を行う人が後を断ちません。
そんな中、令和6年12月10日にXが生成AI「Grok 2」を無料開放しました。その結果、X上で「Grok 2」を使用する人が増加しましたが、「Grok 2」の無料開放に怒る人を、私は今のところ観測していません。
YouTubeでは令和6年12月12日に自動吹き替え機能の利用が可能となりました。AIによる翻訳の技術も向上しつつあり、日本語を理解できなくてもAIによって内容を把握できる環境がネット上では整っています。これは、日本国内では許される表現が海外に出た途端問題視される、という事態が起こり得る環境が整った、ということです。
これまではネット上での言論や表現の自由は比較的守られていましたが、今後は規制が強まり、場合によっては使用制限も含めた対応が求められていくでしょう。
人口減が著しい日本においてAI活用は喫緊の課題です。すでに大手企業は積極的にAIを活用した業務形態の模索や、AIを利用したラフ案の作成など、様々な取り組みが始まっています。
これからの人類の課題は、AIに使われる人間であるのではなく、AIを活用した上で何かを生み出せる人間に成長するための過程の模索になると予想します。AIの活用を拒絶していては、おそらくAIに使われる人生となるでしょう。
しかし、AIによる弊害もあります。フェイク画像やフェイク動画は社会秩序を脅かすものになるのは想像に難くなく、AIの情報には嘘が巧妙に紛れ込んでいます。AIの活用方法や危険性への議論は積極的に行う必要があると考えています。
AIの機能を見極めつつ、上手に利用する。そのためにもAIに拒絶反応を示すのではなく、実験的に使用し、利点と欠点と特徴を自分なりに解釈するのが大事になると思います。
挨拶
名興文庫と致しましては、上記変化を念頭に置きつつ、出版業を一歩ずつ進めていくのと同時に、新たな挑戦をしていく所存です。
明るい未来の創出のために着実に実績を積み上げていきたく思っております。長い道のりとなりますが、応援のほど何卒よろしくお願いいたします。
以上、新年の挨拶とさせていただきます。
皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
本年も何卒よろしくお願いいたします。
名興文庫 代表 尼宮乙桜